「近くで工事をしているので、ついでに屋根を見てあげます」――突然の訪問から不安をあおり、高額な工事を契約させる「点検商法」の相談が増えています。この記事では、国民生活センターと消費者庁の情報をもとに、典型的な手口、見分け方、契約してしまったときの対処をまとめます。
結論:頼んでいない点検は断る。契約しても8日以内ならクーリング・オフできる
- 突然訪問してきた業者に、無料でも点検させない。
- その場で契約しない。複数の事業者の見積りで比べる。
- 訪問販売の契約は、契約の書面を受け取った日から数えて8日以内なら、書面か電磁的記録(メールなど)でクーリング・オフできる。
- 不安を感じたら、消費者ホットライン「188(いやや!)」に相談する。
屋根工事の点検商法の相談は増えている
| 年度 | 屋根工事の点検商法の相談件数 | 点検商法の相談に占める割合 |
|---|---|---|
| 2018年度 | 923件 | 16.2% |
| 2022年度 | 2,885件 | — |
| 2023年度(8月31日まで) | 1,346件 | 35.9% |
典型的な勧誘の流れ
| 段階 | よくある言葉・行動 |
|---|---|
| 訪問のきっかけ | 「近所で行う工事の挨拶に来た」 |
| 点検の誘い | 「屋根瓦がずれているため点検してあげる」 |
| 不安をあおる | 「このままだと瓦が飛んでご近所に迷惑がかかる」 |
| 証拠を見せる | ドローンで撮影したとする写真を見せる |
| お金の心配を消す | 「保険金を使える」と説明する |
| 工事を広げる | 屋根・外壁・床下などの修繕を次々に勧める |
「補助金を使えば安くなる」と言われた場合も、すぐに契約せずに確認しましょう。国の住宅の省エネの補助金は、事務局に登録した事業者が申請する仕組みで、対象の製品や工事、期限が決まっています(住宅省エネ2026キャンペーンまとめ)。
悪質な業者を見分けるチェックリスト
- 頼んでいないのに訪問してきて、点検を持ちかける
- 「今日中に」「今だけ」と契約を急がせる
- 見せられる写真が、本当に自宅のものか確かめられない
- 「保険金で無料になる」など、費用がかからないと強調する
- 契約の書面を渡さない、または金額や工事の内容の記載があいまい
訪問販売では、契約を断ったあとに勧誘を続けたり、改めて勧誘したりすることは法律で禁止されています。「保険金で直せる」という勧誘は雨漏りと保険の勧誘の注意、契約の前の見積書の確認はリフォームの見積り・契約前チェック、太陽光発電や蓄電池の勧誘は太陽光・蓄電池の訪問販売の注意も参考にしてください。
契約してしまったときの対処
クーリング・オフ
- 期間:契約の書面を受け取った日を1日目として8日以内。
- 方法:書面(はがき等)か電磁的記録(メールなど)で通知する。書面なら特定記録郵便などで送り、控えを残す。メールなら送信の記録を保存する。
- 書面を受け取っていない、書面の記載に不備がある、事実と違うことを言われてクーリング・オフしなかった場合などは、8日を過ぎてもできることがあります。
すぐに相談する
消費者ホットライン「188(いやや!)」に電話すると、最寄りの消費生活センターなどの相談窓口を案内してもらえます。期間を過ぎていても対処できる場合があるため、一人で悩まずに相談しましょう。
給湯器・換気扇・屋上の防水などの不具合が本当にあるか気になる場合は、自分で信頼できる事業者を選んで点検を頼むのが安全です(給湯器の交換前チェック、浴室換気扇の交換、屋上防水の膨れ・浮き)。外壁の塗り替えをすすめられた場合は、外壁の劣化のサインの見方で自分の家の状態を確かめてから判断しましょう。
よくある質問
Q. 工事が始まってしまっても、クーリング・オフできますか?
訪問販売の契約で、書面を受け取ってから8日以内であればクーリング・オフできます。工事の状況などによって扱いが変わる場合もあるため、早めに消費生活センター(188)に相談してください。
Q. 「保険金で直せる」と言われました。
国民生活センターは、保険金を使えるという勧誘に注意するよう呼びかけています。保険の対象になるかは、契約している保険会社に自分で確認しましょう。
Q. 家族が契約したようです。どうすればよいですか?
契約の書面と受け取った日を確認し、8日以内ならクーリング・オフを検討します。期間を過ぎていても対処できる場合があるため、消費者ホットライン188に相談してください。
